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石見銀山の自然史

ミュージアムライブラリー

書庫には、石見銀山の解説資料等を掲載しています。

■石見銀山の町並みにみる地域の自然史(1)

町並みに使われている石

温泉津の町並み

石見銀山への物資供給基地だった温泉津の町並み。

鉱山の町として成立した大森町と物流拠点港として栄えた温泉津。重要伝統的建造物群保存地区のふたつの町の町並みは、石見銀山の時代の名残を残します。町並みの景観を構成する要素には、当地一帯の自然のおいたちが秘められています。

町を歩くと、道の整備や建物の土台などに切り石が多用されていることに気付きます。また、建物自体が岩盤を削り出した跡に立っていることが多く、削った石の壁をそのまま建物の一部に利用した家屋もあります。石見銀山とその周辺の町には「切り石の文化」があります。

石見銀山付近は日本列島の中では地下資源に富んだ「グリーンタフ(緑色凝灰岩)地域」の西縁にあたります。グリーンタフ地域は日本海が形成された時代(1500万〜2500万年前)の海底火山が噴出した火山灰でできた凝灰岩が分布している地域です。この凝灰岩は緑色を帯びることが多いことから、その名で呼ばれます。
石見銀山一帯はグリーンタフに属する凝灰岩が広く分布しています。その凝灰岩は軽石質で軽く、加工しやすいため、建材などに多く使われたのです。かまどや井戸枠にも凝灰岩を加工したものが使われました。

石見銀山の寺社などに残る石造物(石仏、五輪塔など)には、温泉津で産出する「福光石」を用いたものが目立ちます。
福光石は典型的な緑色凝灰岩のひとつで、現在も建材などの用途で採石が続けられている良質な石材です。大森の羅漢寺にある「五百羅漢」もこの石で作られています。

福光石石切場

福光石の石切り場。写真は近代以前に手掘りによって切石を採った跡。現在は坑内で機械を使って採石されている。

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