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石見銀山の自然史

■古龍〜旧記記載の港

古龍の湾

古龍の位置。大内氏が石見銀山を支配した16世紀前半に銀の積み出し港として使われた鞆ヶ浦の西に位置します。

 古龍は温泉津町湯里にあり、鞆ヶ浦の西に位置します。石見銀山旧記に港として記載されています。戦国末に描かれた「石見国図」にも「こりゅう」と記載があり、戦国時代には主要な港町だったことがうかがわれますが、それ以降は表舞台に現れないことから“幻の港”と称されることがあります。

古龍の湾は狭く細長い地形であることが銀の積み出し港として使われた鞆ケ浦、沖泊と共通していますが、湾内は砂が堆積して浅い点では異なります。水深が浅いことが、港として使われた期間が短いことと関係があるかも知れません。

古龍の湾奥には、近代まで人家がありましたが、現在は無人で家屋の石垣や田の跡が残っています。陸路で古龍へ行く道はかなり荒れており、通行が困難な状態です。

古龍の湾

古龍の湾。手前に船をつなぎ止めた「はなぐり岩」があります。古い時代の港であることを反映しているのか、ここにあるはなぐり岩は風化が進んでいます。また、はなぐり岩と並んで地層の硬い部分(ノジュール)が突出したものがいくつもあり、区別しづらいものもみられます。

湾奥の谷に残る石垣

湾奥の谷に残る石垣。銀山の港としては早い段階で使われなくなりますが、近代まで家屋があったとみられます。

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