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大田の地形と地質

地層観察の手引き

■大田の鉱物資源

大田市は石見銀山に代表される、鉱物資源に富んだ地域です。
石見銀山は、大田市南西部の仙ノ山(標高537m)に銀および銅を産した鉱床を対象に採掘された鉱山です。仙ノ山火山の地下に貫入したマグマによって形成された熱水鉱床で、鉱床の形成時期は140万年前頃と見積もられています。
16世紀に本格的な開発が始まると、世界経済に影響を及ぼすほどの多量の銀を産出しました。


大田市には日本海形成期の火山活動にともなう凝灰岩類(グリーンタフ)が広く分布しています。この凝灰岩類は黒鉱型鉱床を胚胎しています。黒鉱型鉱床は日本列島特有の鉱床で、深い日本海海底で噴出した熱水から晶出した鉱物が火山性のくぼ地(カルデラやコールドロン)に堆積してできたと考えられています。

黒鉱型鉱床は亜鉛や鉛、銅、銀などを含む黒色の鉱石(黒鉱)が特徴で、代表的なものとして秋田県の小坂鉱山があります。島根県では出雲市にも鰐淵鉱山などの黒鉱型鉱床があります。

黒鉱型鉱床を採鉱した大田市の鉱山には、石見鉱山(五十猛町)、松代鉱山(久利町・長久町)、鬼村鉱山(大屋町)があります。
石見鉱山は以前は黒鉱および黒鉱鉱体に伴う石膏鉱体が採鉱され、現在はゼオライトが採鉱されています。石見鉱山に隣接して小規模な鉱脈型鉱床があり、「五十猛の鉛山」として石見銀山の銀製錬に用いた鉛を産出しました。
松代鉱山、鬼村鉱山はおもに石膏が採鉱されました。松代鉱山では、石膏鉱体のそばから球状の霰石結晶の集合体を産し、世界的に珍しい形状であることから、産地が国の天然記念物に指定されています。なお、霰石に鉱石としての価値はなく、鉱山稼働時は採鉱の障害になる「邪魔者」だったそうです。

グリーンタフに伴う鉱床として、ゼオライト鉱床、ベントナイト鉱床があります。石見鉱山のほか、仁万鉱山(仁摩町)、長谷鉱山(大田町)がゼオライト鉱山、朝山鉱山(朝山町)がベントナイト鉱山として現在も稼働しています。


三子山鉱山(温泉津町)は国内では数少ないケイ砂鉱床で、ガラスの原料などとして採掘されています。また、水上町から温泉津町にかけては陶土となる粘土を含む地層(都野津層群)が分布しており、瓦を中心とする窯業の原料として採掘されています。
石見鉱山

黒鉱を採鉱した石見鉱山の鉱山施設跡。


水上粘土採り場

粘土採り場。大森町の石見銀山世界遺産センター脇。


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