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大田の地形と地質

地層観察の手引き

■大田の地層観察の手引き

三瓶火山灰の観察(志学)

三瓶町志学南方の志学展望所では、三瓶火山の噴出物が重なる地層を見学でき、火山の活動と大地の成り立ちを学ぶ格好の教材です。


【場所】
志学下の町バス停から徒歩20分。


【注意点】
交通の便が悪いので、貸し切りバス等の利用が現実的です。冬季(11〜3月)は積雪や降霜で観察出来ないことがあります。


笠ケ鼻遠景

志学展望所の地層。複数期の噴出物がコンパクトに重なる貴重な露頭。


1.観察のポイント


(1)地層は水のはたらきでできるものが多いのですが、この地層はそうではありません。


(2)色や粒の大きさから何枚の層に分けることができるか、数えてみましょう。


(3)それぞれの層にどのような特徴があるか、特徴を探してみましょう。


(4)軽石を探してみましょう。どうして穴だらけの軽い石ができたか想像してみましょう。


2.解説


(1)地層は砂や泥、レキが水の流れで運ばれ、流れが緩やかになった場所にできます。最も地層が出来やすい場所は川の河口です。ところが、水の流れと無関係に地層ができることもあります。火山の噴火で火山灰が堆積した場合がこれにあたります。志学展望所の地層は、三瓶山が活動した時に降り積もった火山灰がたまってできた地層です。川のはたらきで出来た地層との違いも意識しながら観察して下さい。


(2)スケッチしながら観察すると良いでしょう。地層の分け方は着目点によって違います。層によって色や粒が違うことに気付くことがポイントです。1時期の火山灰層でも細分が可能なので、何層が正解と決める必要はないのです。


(3)色や粒子の大きさ、固さが層によって違います。地層の成因(火山灰、土壌)や噴火の様式を反映しています。


(4)注意深く観察すると、白色や風化して黄色くなった軽石(直径3cm程度までのものが多い)が見つかります。その名の通り軽い石です。
ルーペで観察すると、軽石には小さな穴が沢山あります。地下にあるマグマは気体や水の成分を沢山含んでいて、噴火によって空中に一気に放り出されると、沸騰した成分が一気にマグマから抜けだし、そのままの形で固まります。軽石の小さな穴は、マグマが空中に放り出された時の痕跡です。


志学展望所からみた三瓶山

展望所からは三瓶山の全峰がみえる。また、ここはカルデラの壁(外輪)にあたる。


志学展望所の地層の解釈

志学展望所の地層の解釈。


*参考


志学展望所では、約7万年前の第2活動期から約4000年前の第7活動期までの噴出物の地層をコンパクトに見ることができます。
現在の地形(三瓶山)を直接作った火山活動の地層として、身近で具体的な教材です。地層から大地のなりたちの歴史が読み取ることができることを実感できるでしょう。


地層の前に立ったら、上下関係を確認しましょう。地層は斜めになっています。これは、一番古い地層(上画像の1)が堆積した後、水の流れに削られて斜面ができ、そこに火山灰が降り積もったために傾いて見えます。


1は第2活動期(7万年前)の火山灰層で、比較的平坦な場所に火山灰が降り積もって形成されました*。地層中には火山豆石が含まれていることがあります。同時期に噴出した火砕流の地層は、大田市街の各所に厚く分布しています。


2は休止期の土壌、3は第3活動期(約4万年前)の噴出物、4はその後の休止期の土壌です。5、6は第4活動期(約1万6000年前)の噴出物で、粒の大きさが異なります。7は休止期の土壌で、有機物によって黒色です。火山灰地帯に特長的にみられる「クロボク土壌」です。


8は第6、第7活動期の噴出物が重なって1層に見えています。それぞれ、約5000年前と約4000年前の噴出物です。三瓶山の大部分はこの2時期に形成されました。日影山だけが古く、第4活動期に形成されたものです。それ以前は爆発的な噴火が主体で、山体はほとんど形成していないと思われます。9は現土壌に続く土壌です。活動の概要は三瓶火山のページで少し紹介しています。


*少し水が溜まった場所に堆積したとみられ、現地の解説板には「湖成層」とあります。水底に堆積した火山灰層の意味で、本来の意味での湖成層ではありません。

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