わたしたちの三瓶山

もくじ

希少な植物と昆虫

春の北の原草原に咲くオキナグサ

春の北の原草原に咲くオキナグサ

 三瓶山には、草原と森林があり、それぞれの環境に応じてすみ分けをしていることや、国立公園として守られているために、多くの種類の植物や昆虫が生息しています。その中には、他の地域ではあまり見ることができない希少なものもあります。


ユウスゲ

夏の夜に黄色い花を咲かせるユウスゲ。草原に自生している。


マツムシソウ

初秋の三瓶山を彩るマツムシソウ。草丈の低い草原に生える。


ダイコクコガネ

希少種のダイコクコガネ。放牧牛のフンをエサにする。


ウスイロヒョウモンモドキ

近年は幻になりつつあるウスイロヒョウモンモドキ。


 生物は様々なつながりの中で生活しているため、つながりの一部が欠けるとバランスがくずれることがあります。ウスイロヒョウモンモドキの場合は、幼虫がエサにするオミナエシが少なくなったことが、生息数が減少した原因のひとつと考えられます。


環境イメージ

森林、草原、水辺など、いろいろな環境があると、それに応じて、さまざまな生物がすみ分けをして生活します。


環境イメージ

環境が単調になると、生息する生物の種類が少なくなります。その場所からは姿を消してしまう生物もあるかもしれません。


解説

 三瓶山には様々な生物が生息しています。三瓶山の環境は、草原と森林が隣り合わせにあることが特徴で、そのことが生態系の豊かさに深く関わっています。
 生物は、草原や森林など、環境の違いによってすみ分けて生きています。草原と森林がある三瓶山には、それぞれを好む生物や、そのさかい目を好む生物が分布しているために、種類が豊富なのです。よその地域では数が少ない希少な生物も見られます。特に、草原性の植物は、全国的に草原が減少するとともに数が減っているものが少なくありませんが、三瓶山ではオキナグサ、ユウスゲなどの希少種が分布しています。昆虫では、牛の糞をエサにするダイコクコガネの生息地としては、中国地方では唯一と言われます。また、近年は姿が確認されなくなっていますが、ウスイロヒョウモンモドキという希少なチョウも生息しています。
 これらのような、三瓶山の貴重な生態系を守る活動が、市民団体や学校などによって進められています。数が減っている植物を植えたり、水位が低下して数が減ってしまった姫逃池のカキツバタを増やす活動などです。行政や三瓶自然館などによって、専門的な調査が行われたり、法律によって採取を規制したりすることも行われ、多くの人の手によって三瓶山の自然が守られています。


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