わたしたちの三瓶山

もくじ

遠くから見える山

大田市五十猛町の大崎鼻から見た三瓶山

大田市五十猛町の大崎鼻から見た三瓶山

 昔、島根県は石見国と出雲国、隠岐国の3つに分かれていました。三瓶山は、石見と出雲のさかいにあり、遠い場所からも良く見える目立った存在でした。海からわりあい近く、周囲には高い山がないため、海上からも良く見え、昔は航海の目印になりました。
 三瓶山は中国山地の高い山の連なりからは離れた場所で火山が噴火してできた山です。溶岩円頂丘と呼ばれる、溶岩でできたこんもりとした峰が特徴です。


三瓶山の地形

三瓶山の地形


三瓶山のより高い島根県の山

三瓶山のより高い島根県の山

 島根県と広島県の県境には、「中国山地の背骨」のように、高い山がずらりと並んでいます。三瓶山よりも高いものもあります。


解説

 三瓶山は、周りの山に比べてひときわ高く、島根県を代表する山と呼ぶにふさわしい存在感です。ところが、標高で比べると、三瓶山よりも高い山が島根県内に16峰もあります。三瓶山が目立つのは、海岸に比較的近く、低い山の中にぽつんとそびえ立っているからです。県内最高峰の恐羅漢山(1,346m)をはじめ、三瓶山よりも高い山の多くは、標高1,000m級の山が連なる中国山地の背骨部分にあり、ひとつひとつの山があまり目立ちません。
 広い範囲にわたって大地が盛り上がってできた中国山地に対し、三瓶山は火山噴火によって単独でできた山です。男三瓶山、女三瓶山などの峰は、噴出した溶岩が固まってできたもので、「溶岩円頂丘」というこんもりとした地形です。こんもりとした峰に取り囲まれた中心に、室ノ内と呼ばれるくぼ地があり、ここは最新の噴火を起こした火口と考えられています。峰の周囲を取り囲んで、西の原や北の原などのなだらかな斜面があります。この地形は、火山灰や溶岩が砕けてできた礫が積もってできています。なだらかな斜面は、帽子のつばのように峰を取り囲んでいますが、その範囲は、大昔の大噴火でできた巨大な火口(カルデラ)の範囲とほぼ重なります。三瓶山の地形は、何度も繰り返された火山噴火によって形成されたものです。


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