断魚渓は江の川の支流にあたる濁川にある峡谷です。名前の由来は、アユやサケなどが登れないほど急な滝や急流が連続していて魚(の行き来)が断たれるということと言われます。
渓谷の両岸は切り立つ岩壁で、谷底には「千畳敷」という平坦面が見られるほか、岩盤を直線的にうがった狭い流路を水流が一気に流れる岩樋川、滝などが見られます。岩樋川は濁川の本流そのものですが、その部分だけがそう呼ばれています。
断魚渓の両岸は急崖で、比高75m以上あります。その岩石は流紋岩か流紋岩質の溶結凝灰岩でいずれも硬質です。断層によって破壊された部分に沿って水流による侵食が進み、深い谷が形成されました。岩樋川の直線的な流路を見ると断層に沿って侵食が進む様子がわかります。
岩肌が露出する谷底を流れる水流
紅葉時期の断魚渓。岸壁の上部