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しまねの自然スポット

出雲地方・隠岐地方

■日御碕(出雲市)

日御碕

 東西に伸びる島根半島の西端、日御碕にはランドマークとして日本一の高さを誇る石造りの日御碕灯台がそびえ、日が沈む宮としてまつられてきた日御碕神社があり、地質的、歴史的に注目される場所です。

 地質的な特徴として、灯台の足元の岩場は流紋岩〜デイサイトに相当する火山岩が分布しており、細身の柱状節理が発達しています。この火山岩は新第三紀中新世のもので、日本海が広がり日本列島の原型が形成された時代にあたります。島根半島はほぼ全域にこの時代の地層が分布しており、日御碕から大社港までの海岸では広がりつつあった日本海の海底に泥が堆積してできた頁岩の見事な露頭もみられます。

 日御碕の海には暖流の対馬海流が影響しており、海中には造礁性のサンゴが生息しています。古代、原始には対馬海流に乗って西から船が訪れ、技術や文化をこの地に伝えたことが出雲神話の物語や神社のまつりからうかがい知ることができるといわれます。

 日御碕神社に近い経島(ふみしま)は、神社の聖地であると同時にウミネコの一大繁殖地でもあり、国の天然記念物に指定されています。

 晩秋に数千羽のウミネコが集まり、春に島の頂部で営巣してヒナを育てます。島の周囲は切り立った岩壁になっていて、植生も貧弱であるため大型の動物が生息していません。この地形条件がウミネコにとって繁殖の好適地になっています。

 信仰の島でもある経島は、一般には立ち入ることができません。出雲の歴史の中で重要な神社のひとつである日御碕神社は島をまつったものです。

 島の周辺はダイビングスポットとしても人気で、海中ではしばしばトビエイが見られるほか、「海中遺跡」を連想させる海底地形も見ることができます。

経島

ウミネコが集う経島。

日御碕神社

日御碕神社の楼門。建物の赤色、白色と石垣の緑色のコントラストが美しい社殿です。

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