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しまねの自然スポット

石見地方

■室谷の石ごうろ(浜田市)

室谷の石ごうろ

 幾段もの棚田が重なることで知られる浜田市三隅町の室谷地区に「石ごうろ」と呼ばれる岩海があります。

 岩海は棚田からやや上方の林内に忽然と現れます。大きなものでは人家ほどもある大岩が谷を埋め尽くし、独特の景観を作り出しています。 岩と岩の間は多くの場合空洞で、土砂がないために樹木はあまり生えていません。空隙が大きいため、降雨時には岩の下を沢水が流れて土砂が堆積しにくい状態と思われます。

 岩海は上方の山体が崩壊し、ブロック状に割れて落ちた岩が堆積してできたと考えられます。

 岩海を構成する岩は火成岩の一種「閃緑岩」です。この岩の岩体は大きく方形に節理(割れ目)が入ることがしばしばあります。この性質が岩海の形成要因のひとつと考えられます。岩海の形成前、当地の上方には硬質で大きな単位で節理が入った岩体からなる山体があり、その一部が崩壊したとみられます。

 似た地形として山口県の「万倉の岩海」(国天然記念物)があり、その岩石も閃緑岩で成因の共通性が推定されます。また、大田市温泉津町清水にも岩海があります。ここは16世紀に背後の火山体(堂床山)が崩壊して発生した岩屑なだれの跡であることがわかっており、岩石はデイサイトです。


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