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しまねの自然スポット

石見地方

■木部谷温泉(吉賀町)

木部谷温泉

 木部谷温泉は吉賀町柿木にあります。源泉は15〜20分おきに噴出する低温の間欠泉で、噴出時の水柱は高さ1m以上に達して数分間続きます。

 当地はもともと鉱泉が湧き出ており、湯量確保のためにボーリングしたところ、間欠泉現象を起こすようになったそうです。

 噴出には、鉱泉に多量に含まれている二酸化炭素(CO2)が関係していると考えられます。

 間欠泉の地下には岩盤に空間があり、地下深部の圧力が高い環境で二酸化炭素が溶け込んだ温泉水が一定の速度で空間に溜まっていると推定されます。

 岩盤の空間部分は地下深部に比べて圧力が低く、二酸化炭素は泡立って少しずつ泡立って水から逃げ出していきます。コーラなどの炭酸飲料の瓶を静かに開けた時の状態です。そして、水量が増えると何かのきっかけで泡立ちが一気に進み、二酸化炭素が膨張する圧力で温泉水が噴出すると考えられます。このサイクルがほぼ同じ間隔で繰り返されているのでしょう。

 木部谷は北東ー南西方向の直線性が明瞭な断層谷です。津和野川ー徳佐盆地の断層谷など、断層性の直線地形が何本も並行しており、その延長は山口市から防府市の南方で瀬戸内海まで連続する規模です。木部谷温泉の湧出と二酸化炭素の供給は、断層と何らかの関係があるのかも知れません。

西中国山地から山口県にかけての地形と木部谷温泉の位置

西中国山地から山口県にかけての地形と木部谷温泉の位置。青野山や木部谷温泉を通過する北東ー南西方向の直線的な地形が並行しており、おもな直線地形を地図中に赤線で示しています。

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