益田市土田町の洞ノ鼻東側の海岸には、濃淡の斑模様がみられる岩石が露出しています。黒い部分が礫のようにも見えますが、礫岩ではありません。
この岩石は、淡い色の部分は花崗岩で、濃い色の「斑」の部分は閃緑岩という岩石です。いずれもマグマが地下深部で固結した深成岩です。固まる前のマグマが地下で混じり合い、このような模様を持つ岩ができました。
これほど大規模にマグマが混じり合った岩は珍しいものの、花崗岩中に閃緑岩などが斑状に入っている例はしばしば見られます。以前は石材として採石されて出雲地方を中心に墓石などに使われている雲南市三刀屋町の花崗岩には数cmから10cm程度の閃緑岩を斑状に含むことが多くあり、付近の花崗岩露頭でも見られることがあります。