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地層観察の手引き

■江津市・岩滝寺の滝の成因の推定

江津市波積町の岩滝寺の滝は、江の川の支流、都治川にあり、100m近い落差は島根県で最大規模を誇る。
この滝は、標高200m内外の丘陵地という立地にありながら、大きな落差を有することが特徴である。

滝周辺の地形をみると、滝の上流側に標高約130mの盆地状の平坦地(下図中のA)が広がり、滝の下流の峡谷を抜けると、標高約40mの平坦地(下図中のB)がある。
Aの平坦地からは、都治川が流れる谷とは別に、北西方向へ向かう谷がある。この谷を県道177号線が通っていて、河川流量はわずかしかないが、明瞭な谷地形となっている。


岩滝寺の滝
岩滝寺の滝周辺の地図。国土地理院の地図閲覧サービスより転用、加筆。

この地形から、岩滝寺の滝の成因として、河川争奪にともなって落差が生まれ、滝が形成された可能性が推定できる。その過程は、次のようなものである。


1.以前、都治川は、北西方向へ向かう谷を流れていた。


2.斜面崩壊などによって、北西方向への谷がせき止めが生じた。


3.せき止めによる水位上昇または堆積の進行によって、南側の谷(現都治川流路)に越流した水が流れるようになり、南側への河道が成立した。


以上のように、河川の流路が変わり、隣の谷へ流れるようになったことで滝が形成された可能性が考えられる。
この考え方の問題点としては、都治川が北西の谷に流れていた場合、現河道位置に深い谷が形成されるほどの流量を想定しにくいことがある。
もっとも、現河道の南隣に、集水範囲は狭いものの、かなり深い谷が形成されているので、谷の形成は可能だったかもしれない。

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