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しまねの自然スポット

しまねの地形と地質

■出雲平野

出雲平野

島根半島、鳶ノ巣山からみおろした出雲平野

 出雲平野は斐伊川、神戸川の下流に発達した沖積平野です。島根県で最大の沖積平野で、出雲市駅周辺は島根県第二の人口集中地になっています。

 斐伊川と神戸川のふたつの河川は、それぞれ地質的な特徴を持ち、そのことが出雲平野の形成史を独特のものにしました。そして、古代出雲の文化を支えた人々が暮らした場でもあったのです。

 斐伊川は流域に風化した花崗岩が広く分布し、中世から近世にかけて砂鉄採取と「たたら」と呼ばれる炉による製鉄が盛んに行われました。その影響で多量の土砂が排出されて度重なる洪水をもたらし、運搬された土砂が堆積して出雲平野東部は中世以降に大きく拡大しました。

 神戸川は三瓶山東麓を流域に含みます。約4000年前と約5000年前の三瓶火山の活動の際、多量の火山噴出物(火山灰、軽石など)が泥流や洪水となって神戸川を流れ下り、下流域に堆積して出雲平野西部は急激に拡大しました。この時に形成された地形面には弥生時代の集落遺跡が多数存在します。火山活動時の大規模な洪水で形成された微高地が居住地として利用され、いくつかのムラが形成されれたのです。火山活動による急速な平野拡大は、出雲に伝わる国引き神話を彷彿させてくれる自然史のドラマです。

出雲平野の地形と弥生遺跡の分布

出雲平野西部の地形と弥生遺跡(赤丸)の分布

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