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地層観察の手引き

■都茂丸山鉱山講演資料

2011年12月14日、益田市の文化遺産を未来につなぐ実行委員会主催で行われた講演の配布資料です。


都茂丸山鉱山のなりたち 〜銅と銀はどこから来たの?〜


1.都茂丸山銅山の開発と日本の金属利用


弥生時代以前 自然金など元素鉱物を利用
弥生時代前半 鉄と銅(青銅)の利用が始まる(大陸から輸入?)
6〜7世紀  仏教の交流に伴い金属利用が活発化
675年   対馬で銀鉱山発見
691年   伊予から銀が朝廷へ献上
698年   各地から銅鉱、朱砂(水銀)、雄黄(ヒ素)が献上
700年   丹波から錫が献上
701年   大宝律令
国内に銅鉄を出せる処ありて官未だ探らざるは百姓私に探るを聴す。もし銅鉄を納めまたは庸調を折充するものには官採の地においても聴す。
701年   対馬から金の献納
708年〜  鉱山技術者を全国に派遣
708年   武蔵から自然銅の献上。和同開珎の鋳造
744年   大仏の鋳造開始
881年   日本三代宝録に都茂の産銅記述
1986年  都茂鉱山閉山(島根県最後の非鉄金属鉱山)


2.鉱山について


(1)元素の存在度と鉱石の品位


1位  酸素     46%
2位  ケイ素    27%
3位  アルミニウム 8%
4位  鉄      6%
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26位 銅      0.006%
37位 鉛      0.0014%
60位 銀      0.000007%
67位 金      0.0000003%


銅鉱石の平均的な品位 1〜2%
銀鉱石の平均的な品位 0.02〜0.05%


(2)鉱床の形成


鉱床とは、有用元素が利用可能な量と濃度に濃縮した場所。濃縮作用は地球の循環システムの過程で生じる。


●主な鉱床形成の作用
・マグマに起因する熱水の作用(熱水鉱床、スカルン鉱床
・マグマが固化する過程での元素濃縮作用(火成鉱床)
・風化と浸食、堆積の作用(堆積鉱床、風化残留鉱床)


都茂鉱山は、堆積岩類からなる岩体にマグマが貫入、接触し、石灰岩層に熱水が入り込んで反応したことで生じたスカルン鉱床。益田、津和野地区には同じタイプの鉱床が多い。


(3)都茂丸山鉱床の主な鉱物


黄銅鉱(銅の鉱物)、斑銅鉱(銅の鉱物)、閃亜鉛鉱(亜鉛の鉱物)、方鉛鉱(鉛の鉱物)、磁硫鉄鉱(鉄の鉱物)、磁鉄鉱(鉄の鉱物)、灰重石(タングステンの鉱物)、輝水鉛鉱(モリブデンの鉱物)


都茂丸山鉱山付近の地質分布

講演および資料作成:中村唯史

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