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しまねの自然スポット

■高津川

河川延長:81 km

流域面積:1,090平方km

水源:吉賀町

河口:島根県益田市

津和野町日原を流れる高津川

津和野町日原を流れる高津川

 高津川は西中国山地を源流とし、益田市で日本海に流れ出ます。流域に大規模なダムがなく、2007年、2008年には水質日本一になった清流です。源流域には中国地方固有のイワナであるゴギ、上流域はヤマメ、上〜下流域まではアユが生息するなど、魚類が多い川としても知られています。
 本流に匹敵する規模を持つ支流の匹見川は特に水が綺麗で、源流域には匹見峡、裏匹見峡、奥匹見峡など渓谷の景観を見ることができます。匹見川の上流域は硬い酸性火山岩類(主に流紋岩質、デイサイト質の火砕岩)が分布しており、その硬さと断層運動による地盤の隆起が奥深い渓谷景観を作り出しています。
 急峻な流れと、水に溶け出す栄養塩に乏しい酸性火山岩類の性質が水質の良さに関係していると思われます。

 高津川本流の源流は吉賀町田野原にあり、谷底平地の一角にある湧水から流れが始まります。このような形で水源地がはっきり特定できる川は、一級河川では珍しいとされます。
 谷底平地から流れが始まる形は、河川争奪という現象によってできました。河川争奪とは川の一部が他の川に流れるようになる現象です。数10万年前には水源地の北東約1kmを流れる深谷川が高津川の源流にあたる川でしたが、今はとなりの錦川(河口は山口県岩国市)の一部です。上流部を奪われた高津川は、河川争奪地点の下流部から流れが始まるようになり、谷底平野の湧水が源流になりました。

高津川の河川争奪イメージ1

数10万年前の流れのイメージ。高津川の源流は深谷川から始まっていました。

高津川の河川争奪イメージ2

大規模な土砂崩れで土砂ダムが形成され、あふれた水がとなりの錦川へ流れるようになりました。

高津川の河川争奪イメージ3

現在の流れ。土砂ダムは堆積物で埋まって谷底平地になりました。高津川は谷底平野の湧水からはじまり、深谷川は平地面を侵食して流れています。

水源公園

高津川源流の水源公園。奥のスギの根元に湧水があり、ここから高津川の流れががはじまります

匹見峡の様子

紅葉時期の匹見峡

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