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石見銀山の自然史

■仙ノ山の火山砕屑岩

仙ノ山の火砕岩

礫間のすき間が目立つ火山砕屑岩(火山角礫岩)。仙ノ山本谷地区、大久保間歩付近。

 仙ノ山を構成する岩石の大半は、デイサイト質マグマの噴出によってできた火山砕屑岩(火砕岩)です。この岩石は火山砕屑物(火山灰や火山礫)が堆積してできた岩石の総称で、粒の大きさによって「凝灰岩」「火山礫凝灰岩」「凝灰角礫岩」「火山角礫岩」と呼ばれます。

 仙ノ山の火砕岩は、空中に放出された火山砕屑物が火口周辺に堆積してできたと考えられています。一部には水中で堆積したとみられる岩相もみとめられます。空隙が多い火砕岩に銀鉱床を作った鉱液(鉱物の成分を溶かした熱水)が広く浸透して鉱染型と呼ばれる鉱床が生まれました。石見銀山の開発初期には、上の画像にみられるような大きな空隙に自然銀の結晶が存在していたと思われます。

仙ノ山の火砕岩

赤鉄鉱が火山砕屑岩の粒子間を埋めて赤みを帯びて見える岩石。仙ノ山本谷地区、釜屋間歩付近。

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