タイトルバナー

大田の地形と地質

地層観察の手引き

■日本列島形成と大田の地質

大田地域には日本列島が形成された時代の地殻変動でできた岩石が分布します。その代表は「福光石」。石材として古くから利用されてきたこの石は日本海を拡大させた海底火山活動で形成されました。
日本列島と日本海の形成は、約2500万年前にさかのぼります。火山活動とともにユーラシア大陸東縁の一部が裂け、谷(地溝帯)が形成されました。谷が拡大するとそこに海が進入し、海底で引き続き生じた火山活動とともに海は拡大しました。海の拡大は約1000万年間続いて日本海が形成され、切り離された大地が日本列島の原形になったのです。
福光石は広がりつつあった日本海の海底で噴出された火山灰が堆積してできた岩石です。変質作用によって緑色の鉱物が形成され、緑色を帯びています。同様の成因の岩石は緑色をしていることが多く、日本列島形成の時代の海底火山活動にともなって形成された地層が分布する地域を「グリーンタフ(=緑色凝灰岩)地帯」と呼ぶことがあります。
グリーンタフ地帯は北海道から島根県までの日本海側が中心です。大田市はグリーンタフ地帯の西端にあたり、市域の広い範囲に日本列島形成期の地層が分布しています。


福光石

福光石の採石場。「福光石」は石材名で岩石名は火山礫凝灰岩。


海岸の海食崖などには日本海形成期の地層が露出していて観察できます。変動の時代の地層だけに岩相の変化が激しく、場所によって地層の様子は大きく異なります。

波根町の立神島は礫岩と凝灰岩が明瞭な縞模様を構成しています。この地層の延長にあたる久手町には大型の樹木化石波根西の珪化木があります。

仁万海岸では仁万の珪化木のほか、火山砕屑丘の断面、鮮やかな緑色の凝灰岩が露出した波食台、メノウ岩脈など変化に富んだ地層がみられます。面白いものではタマネギ状のノジュールが見つかります。

温泉津海岸には海底火砕流によって堆積した凝灰岩が分布していて、温泉津湾の西岸ではスランプしゅう曲が観察できます。


ピソライト

仁万海岸の凝灰岩中の火山豆石。空中に放出された火山灰が静電気力で球状に集合したもの。


1・ / 次のページへ

inserted by FC2 system