わたしたちの三瓶山

もくじ

三瓶山の気象と水

凍りついた浮布池と雪をかぶった三瓶山

凍りついた浮布池と雪をかぶった三瓶山

 山陰地方の気象は、冬に北西の季節風が強く吹き、雨や雪の日が多いことが特徴です。三瓶山は、山陰型の気象に加えて、標高が高いために、平地に比べて寒く、雪がたくさん降ります。
 気温は高い場所ほど低く、高さ100mごとに約0.6℃ずつ下がります。三瓶山は西の原で標高400m以上、北の原は標高550m以上あり、夏でも涼しく感じられます。


樹木の枝についた霧氷

樹木の枝についた霧氷。空気中の霧が枝などにぶつかった瞬間に凍ってできます。冷え込んだ日の朝に、山頂近くで見られます。


霧の海

晩秋から早春の朝、三瓶山の南のふもとに霧の海が広がります。川や地面から蒸発した水蒸気と、冷たい空気がぶつかって霧が発生します。


ワサビ

わき水を利用して栽培されているワサビ。


大雪

標高700mの東屋につもった雪。


三瓶山に降った雨や雪の多くは地面にしみ込みます。三瓶山は地下に、たくさんの水をたくわえることができる山です。水の一部は、山すそのあちらこちらでわき水になって流れ出ます。


ワサビ

三瓶山と大田市街の気温
2011年の月別平均気温。大田市街の気温は、気象庁のアメダス観測記録から作成。


解説

 三瓶自然館での気象観測記録(標高約600m)によると、北の原は大田市街に比べて平均気温が2.5℃前後低く、涼しい気候であることがわかります。特に冬は厳しい寒さで、積雪量が1mを超えることもあります。山頂付近はしばしば氷点下10℃前後まで下がり、冷え込んだ日には、空気中の霧が氷になって樹木の枝につく、霧氷が見られることがあります。
 日本海に面した山陰地方は、冬に雨や雪が多いことが特徴です。北西の季節風が日本海から蒸発した水蒸気を含み、陸地にぶつかった時に生まれる雲が雨や雪を降らせます。季節風が三瓶山にぶつかると、厚い雪雲が生まれ、たくさんの雪を降らせます。
 日本海に面した山陰地方は、冬に雨や雪が多いことが特徴です。北西の季節風が日本海から蒸発した水蒸気を含み、陸地にぶつかった時に生まれる雲が雨や雪を降らせます。季節風が三瓶山にぶつかると、厚い雪雲が生まれ、たくさんの雪を降らせます。
 雨や雪として三瓶山に降った水は、その多くが地下にしみ込みます。常に水が流れている沢は、三瓶温泉の源泉から流れる「湯の谷川」だけです。火山噴火で生まれた三瓶山は、割れ目が多い岩石と火山灰でできていて、水がしみ込みやすいのです。しみ込んだ水は地中をゆっくりと流れ、一部は山すそでわき水になってわき出します。山すその標高400〜500mの範囲には、わき水が何か所もあります。三瓶山の地中には多量の水がたくわえられていると思われ、しばらく日照りが続いても、わき水がかれてしまうことはほとんどありません。安定して流れ出るわき水は、昔から飲料水や農業用水として山麓で暮らす人々の生活を支えてきました。


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