タイトルバナー

しまねの自然スポット

大田の自然スポット

■立神岩

立神岩

 大田市波根町の立神岩は、高さ70m以上に達する断崖に濃淡の縞模様がくっきりと目立つ地層が露出しています。断崖の先には岩を切り取ったようにも見える立神島が立ち、その光景は国道9号線や山陰本線の車窓からも良く見えて大田市東部の象徴的な景観となっています。
 立神岩の地層は、日本海が拡大して日本列島の原型が形成された時代(新第三紀中新世)のもので、年代的にはおおむね1500万〜1300万年前にあたります。日本列島の原型を形成した地殻変動は活発な火山活動を伴い、大田市の海岸部にはその火山噴出物が広く分布しています。立神岩の地層も白っぽく見える部分は火山灰と軽石の層(凝灰角礫岩、火山角礫岩、凝灰質砂岩)で、暗い色の部分はよく削られて丸くなった(円礫になった)火山岩からなる礫層です、礫層の礫はソフトボール大以上の大礫が中心で、大きな礫は直径50cmを超えるものも含まれます。礫の産状などから、立神岩の地層はある程度の規模を持つ河川の河口付近で形成されたと考えられます。

 立神岩の名前の由来は、露出する地層が走る馬の「たてがみ」のように見えるためと地元で伝えられ、江戸時代の地図には「立髪」の文字が当てられたものがあります。また、九州地方を中心に、港の入り口に立つ岩を「立神(岩)」と呼んで航海を司る神をまつっている事例が複数あり、同様の信仰が名前の由来という考えもあります。

inserted by FC2 system