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■稚児滝

三瓶小豆原埋没林を残した稚児滝

稚児滝は、三瓶山北麓を流れる三瓶川の支流、伊佐利川にある高さ約10mの滝です。
花崗岩の岩盤から流れ落ち、広い滝壺を形成しています。
この滝は、約4000年前の三瓶火山の噴火に伴う大規模な土石流で谷が埋積されたことによって形成されました。
この滝は、噴火以前は深い谷の中腹斜面でしたが、土砂で谷が埋積されて滝の位置を川が流れるようになりました。通常であれば、河川は土石流の堆積物を急速に侵食して元の谷底まで下刻するのですが、滝の位置の固い岩盤で河道が「ひっかかった」状態になったことで下刻が進行しませんでした。
その結果、滝より下流では土石流の堆積物はほぼ侵食されて深い谷に戻っていますが、谷より上流では土石流の堆積物は残されているために高度差が生じ、滝は、元の谷底に向かって流れ落ちています。

この滝部分の岩盤によって土石流の堆積物が残ったことで、滝から約700m上流には火山噴出物に埋もれた森林が幹を残したままで残存し、三瓶小豆原埋没林として国の天然記念物に指定されています。
もし、この滝の位置で河道が固定される現象がなければ、一旦埋もれた森林も再び洗い出されて失われていたはずで、滝は世界的にも稀な埋没林形成の重要な役割を果たしたのです。

稚児滝は、県道にかかる稚児大橋の上から見ると市道にかかる稚児橋の下に見えます。アクセスルートはなく、滝壺へ行くためには川を遡る必要があります。

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