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■大国の龍岩(龍巌山)

龍岩

 龍岩(龍巌山)は大田市仁摩町大国にあり、県道31号仁摩邑南線の脇にそびえる岩山です。
天に向かって伸びるように岩がそびえ、一部には風化によって空いた穴があります。穴の内側は赤色を帯び、龍の口のようでもあります。

 この岩の特徴的な形は、その成り立ちが関係しています。龍岩の岩石は流紋岩で、マグマが大地を割りながら上昇した火山の「芯」の部分にあたります。この地で火山活動があったのは1500万年以上前のことで、日本海が広がり、日本列島の原型ができた時代にあたります。
 当時、龍岩の部分は地下にあり、溶岩として噴出した場所はもっと上にありました。その後、隆起や侵食によって大地の形は大きく変化し、龍岩は周囲の岩盤が侵食で失われて露出し、今の姿になりました。

 龍岩は板状の岩が何枚も立っているような形をしており、見る角度によっては岩にはっきりとした筋模様が見え、地層のようでもあります。
 この筋模様は、マグマが移動する時に引き延ばされることでできる「流理」と呼ばれる構造です。水飴を引きの延ばした時など、伸びた部分の表面に筋模様ができますが、それと同じしくみです。
 流紋岩マグマは粘り気が強く、上昇する時には上下に引き延ばされながら動きました。この時に筋模様ができたのです。

龍岩

少し違う角度から見た龍岩

 龍岩は古い時代の巨石信仰を物語る存在でもあります。
 岩山の中腹に岩の間から水が湧く箇所があり、「龍岩神社」というほこらがまつられています。

 また、出雲国風土記が伝える国引き神話の神、“八束水臣津野命”(ヤツカミズオミツノミコト)がこの地を訪れた時、龍岩を見上げて「この地は岩を見る国である」と言ったことが「イワミ(石見)」の地名由来という伝説もあります。

 龍岩(龍巌山)は、石見銀山から仁万海岸へ至る道の中ほどで、見晴らしがいい山であることから、戦国時代には城が築かれていました。石見銀山守衛の山城のひとつ「石見城」で、その範囲は世界遺産になっています。

 龍岩の岩肌にはノウゼンカズラがからみつき、大田市の天然記念物に指定されています。

龍岩

紅葉で色づいた龍岩のノウゼンカズラ

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