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■亀谷のねずみ淵

亀谷のねずみ淵

 身をくねらせるように向きを変えながら岩肌を滑り落ちる滝が目をひく小渓谷「ねずみ淵」は、銀山川(静間川水系)の支流、亀谷川にあります。滝は落差約10mで、その流れが落ちる先は深い淵になっています。

 滝の部分は硬い流紋岩で、縞模様が特徴的です(下写真)。この岩石は火山岩の一種で、約1600万年前(新第三紀中新世)の火山活動によって形成されたものです。縞模様は粘り気が強い溶岩がゆっくりと流れる時にできるもので、「流理構造」といいます。

 淵の部分はやや軟質な凝灰岩で、滝部分の流紋岩と同時期に形成されたものです。
 淵の形状は流れに対して横長で、岩種の境界に沿っているとみられます。滝と淵の成因として、境界部分の岩質が弱い部分が浸食されて淵になり、硬質な流紋岩との間に落差が生じて滝になったことが推定できます。

 現地は道路脇で、看板と淵の下流へ下りる階段が整備されています。

滝頂部の流紋岩

滝直上の河床で見られる硬質な流紋岩。マグマ(溶岩)が移動した時にできる筋模様(流理)が表面に浮き彫りになっています。

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