三瓶山の北麓にあたる大田市三瓶町多根の佐比賣山神社の近くにユキワリイチゲの群落があり、花の最盛期には薄いピンク色〜薄紫色の花が数千個も咲き誇ります。

 ユキワリイチゲは春先の雪解け直後に花を咲かせることからその名前があり、花が終わると地上部分がなくなり、秋に再び葉を茂らせて早春に花を咲かせるサイクルの植物です。ユキワリイチゲの自生地は比較的少なく、当地の群落は規模が大きく、貴重な自生地です。

 この自生地が確認されたのは2008年頃で、当初から大きな群落でしたが、住民によって草刈りなどの整備が行われたことでさらに株数が増えて今日に至ります。

 花の時期は3月中旬にピークを迎える年が多いものの、暖かい年には2月下旬にピークを迎えることもあります。ユキワリイチゲの花は雨天や暗い曇天では花弁を閉じて俯いていることが多く、咲き誇る様子は晴天の日にしかみることができません。