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■五十猛町の大崎ヶ鼻

五十猛町の大崎ヶ鼻

静間町魚瀬海岸から見た大崎ヶ鼻の遠景。夕日の下の部分が大崎ヶ鼻。

 大田市五十猛町の大崎ヶ鼻(大岬)は島根県で最大級の「陸繋島」です。大岬灯台が立つ標高57mの頂部は見晴らしが良く、晴れた日には東に三瓶山、日御碕、西に大江高山火山の山並みを見ることができます。
 大崎ヶ鼻は東から西へ伸びる砂嘴によってつながり、砂嘴上は人家が密集する大浦地区の集落になり、砂嘴の南は大浦港です。大浦港は古くから大田市地域を代表する港のひとつで、古代の大陸との交易を物語る「韓神新羅神社」が港に面する位置にまつられています。この神社はもとは大岬灯台の場所にありました。

大崎ヶ鼻の地図

大崎ヶ鼻付近の地形図。大浦港は陸繋島に囲まれる形になっていることで港に適した湾になっています。

 陸繋島は海岸近くにある島に向かって砂嘴(トンボロ)が発達することで陸続きになった地形です。島根県では松江市美保関町北浦の大小2つの陸繋島や、近年「山陰のモン・サン・ミシェル」と呼ばれてその景観が人気になっている益田市の小浜町の衣毘須(えびす)神社がある島などがあります。衣毘須神社の東にあたる持石海岸では海浜の侵食防止に設置された離岸堤に向かって砂嘴が伸びて陸続きになったものがいくつも見られ、出雲市多岐町の岐久海岸でも離岸堤に向かって伸びる砂嘴を見ることができます。

大崎ヶ鼻と本土を繋ぐ砂嘴部分

大崎ヶ鼻側から見た大浦の集落。両側が弧を描く砂嘴の形がよくわかります。

大崎ヶ鼻の火山角礫岩

大崎ヶ鼻の安山岩質火山角礫岩。新生代新第三紀中新世の火山噴出物です。

 地元には、素盞嗚尊(スサノオノミコト)が新羅から渡ってきた際、大崎ヶ鼻の北東約250mの沖合にある「神島」に船をとめてあたりを見渡して上陸地を探したという内容の神話が伝わり、付近には「神上(しんじょう)」、「神別れ坂」など神話にまつわる地名があります。五十猛の地名は五十猛命(イソタケルノミコト)に由来すると言われます。

大岬灯台

大岬ヶ鼻の上に立つ大岬灯台。灯台が立つ場所は見晴らしが良く、大崎ヶ鼻自体が海上からの目印として古代から灯台的な役割を果たしていたと想像できます。

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