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■温泉津町日祖の千畳敷

日祖の千畳敷

日祖の千畳敷をやや高い位置から見下ろしたところ。海食台は波が穏やかな日には波は届かない高さの「離水海食台」です。

 日祖の千畳敷は、石見銀山の物資供給港として栄えた温泉津の東に位置する日祖地区の海岸にある広い海食台で、平坦部の広さは約7800平方mに達します。これは陸上競技の400mトラック(約10000平方m)より一回り小さいくらいの広さです。

 この海食台は海面から約3mの高さがあり、満潮位よりもずっと高いことが特長です。浜田市の畳ヶ浦と比較すると、畳ヶ浦は約5万平方mの平坦面のうち、標高2m未満の範囲が50%以上で3mを超える範囲は全体の1/3程度に限られます。日祖の千畳敷は平坦面の60%以上が標高3mを超え、海食台の縁辺は海面に向かって急傾斜の斜面になっています。

 かなり高い平坦面を持つ海食台ですが波浪時には全面が波に洗われます。冬季には海食台上に岩海苔が生育し、良質な海苔を産する海苔場としても知られています。

 当地の岩質は比較的軟質な凝灰岩で、約1500万年前の日本列島形成期の海底火山噴出物です。地層が小さく折れ曲がった「スランプ構造」が認められ、火山噴出物が海底火砕流として再移動して堆積した様子を観察できます。

日祖の千畳敷

海食台上にある大型の甌穴(ポットホール)。深さ1m以上ある。この海食台では際立って大きい。内部には円礫があり、現在も成長を続けているとみられる。

日祖の千畳敷

平坦面の上部に目印のようにそびえる岩塔。

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