泉ヶ鼻。写真の川底から泡が吹き出しています。写真の岩盤は大江高山火山のデイサイト溶岩で、マグマ(溶岩)が移動するときにできる筋模様(流理)がみられます。
矢滝城山(634m)から流れ出る祖式川(大田市祖式町)に、川底から絶え間なく泡が吹き出す場所があり、泉ヶ鼻と呼ばれます。
川の中を見ると砂礫から泡が数珠つなぎに出ているほか、少し増水すると川岸近くの硬い岩盤の割れ目からも泡が出る様子がわかります。この泡は二酸化炭素が地中から出てきているもので、マグマ由来と推定されます。
矢滝城山は大江高山火山の一峰です。大江高山火山は大田市西部に大小30峰以上の溶岩円頂丘が集まる火山で、およそ250万〜70万年前にかけて活動しました。地下にはまだ完全には冷え切っていないマグマが存在していて、そこから二酸化炭素が放出されていると推定されます。
祖式町にはほかにも炭酸泉の湧出があるらしく、大森町でも銀山川河床から少量の噴気が認められます。
岩盤の割れ目から吹き出す泡。