大田市大屋町鬼村にある鬼岩は、側面が反り返った形でキノコのように上が広がる形の奇岩です。岩の側面には5つの穴が並び、鬼がつかんだ指の跡という伝説があります。
穴は塩類風化(化学風化の一種)による風食穴(タフォニ)です。この岩は軽石質の凝灰岩で、海底火山の噴火によって海底で形成されたものです。岩石中に塩類を多く含むとみられ、岩の表面に塩類が析出してできた白色針状の結晶が見られることがあります。→もう少し詳しく
鬼岩周辺は地元の方によって整備され、2022年には鬼の石像が設置されました。県の天然記念物、日本遺産「石見の火山が伝える悠久の歴史」の構成文化財になったことで年々訪れる人が増え、秋にはそばを流れる笹川の土手が彼岸花に彩られることから人気のスポットになっています。
鬼岩の近くには、明治時代から昭和40年頃まで石こうを産出した鬼村鉱山があります。
笹川の土手に咲く彼岸花と鬼岩