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■吉永銅山(大田市)

吉永銅山

吉永銅山の露頭掘り跡の遠景。掘り下げた筋が何本か平行し、途中に坑道が開口しています。

 大田市川合町にあった吉永銅山は江戸時代に採掘が始まったとされます。

 幕府直轄の石見銀山領だった当地に1643年に置かれた小藩「吉永藩」は、陣屋の近くにある吉永銅山の経営を手がけようとしたものの大森代官所から認められなかったと伝わり、代官所はこの鉱山を重視していたのかも知れません。

 第二次世界大戦中の1939年から1945年にも稼働しており、鉱山跡にはコンクリート製の関連施設跡が残存しています。

 鉱床は新第三紀中新世の堆積岩類(川合層)に貫入する安山岩の岩体中にある熱水鉱床で、黄銅鉱や斑銅鉱などを産出しました。
 現地には露頭掘の跡が岩肌をむき出した状態で残り、数カ所の坑道があります。露頭掘の下方に製錬所があったとみられ、鉱滓が残存しています。

吉永藩編集委員会(2013)「吉永藩−治世四十年とその前・後−」
島根県地質図説明書編集委員会(1985)「島根県の地質」

吉永銅山

縦に並行する2筋の露頭掘跡。右の露頭掘跡にはシダが点在しています。

吉永銅山

石英と黄鉄鉱。露頭掘跡には金属鉱物を含むズリ石はあまり残っていません。

吉永銅山

岩の空隙にできた沸石の結晶。

吉永銅山

開口する坑道。その上部に細い鉱脈の延長部が残る。銅鉱山の鉱脈としては小規模です。

吉永銅山

鉄鉱物の脈石。銅鉱の鉱脈とは無関係に、縦横に鉄鉱物の脈がみられます。

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